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樹状細胞ワクチン療法の肺癌での治療成績が欧州論文に掲載されました

2012年12月28日
樹状細胞ワクチン療法※1において、進行性非小細胞肺がん※2に対するWT1を用いた同療法の有用性と予後因子の検討についての論文が、「欧州がん研究治療機関(EORTC)」など欧州の複数の腫瘍学会の公式学会誌である「European Journal of Cancer(EJC)※3」電子版(European Journal of Cancer. 13 December 2012.)に掲載されました※4。

肺がんは、近年日本人のがんによる死亡原因のトップとなり、引き続き増加傾向にあります。肺がんは組織学的に非小細胞肺がんと小細胞肺がんに大別され、手術、化学療法、放射線治療の組み合わせが標準治療として位置づけられています。

しかしながら、進行性非小細胞肺がんの予後は標準治療を実施しても1年程度であり、今なお予後不良であると言われているため、浸潤性の低い新たな治療法が求められてきました。新たな治療法として、がんペプチドワクチンや樹状細胞を用いた細胞医療に関する臨床研究が行われておりますが、臨床的有用性やその関与因子に関しては更なる研究の余地があります。

当施設提携医療機関により行われた今回の研究においては、進行性非小細胞肺がんに対するWT1を用いた樹状細胞ワクチン療法の有用性を確認し、生存期間延長に関係する因子を特定することを目的として、当施設提携医療機関における62例を後ろ向きに解析した※5結果が報告されています。

62例中、
ワクチン初回投与から3か月後のRECIST評価※6では、
CR(腫瘍の100%縮小(消失)が4週間以上持続)1例
PR(腫瘍の30%以上の縮小が4週間以上持続)4例
SD(腫瘍の30%未満の縮小または20%未満の増大かつ新病変の出現のない状態が4週間以上持続)26例
病勢制御率※7は50%
という結果が得られました。

また、生存期間への関与因子を多変量解析※8したところ、WT1ペプチドの使用とヘモグロビン値※9であることが確認されました。WT1ペプチドの使用症例は、未使用症例に比べ有意に生存期間が延長したことから、WT1ペプチドの使用を軸としたがん抗原の選択が有益であるとの可能性が示唆されました。

この結果を踏まえ、当施設は、本療法の更なるエビデンス(科学的根拠)強化を図り、今後もより良い治療を提供してまいります。

※1 樹状細胞ワクチン療法
本来、血液中には数少ない「樹状細胞」(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を、体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法(がんワクチン治療)です。

※2 非小細胞肺がん
非小細胞肺がんは肺がんの約80~85%を占めています。腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、腺扁平上皮がんなどに分類され、それぞれ、発生部位・進行速度・症状などが異なります。

※3 European Journal of Cancer(EJC)
EORTC(欧州がん研究治療機関)、ECCO(欧州がん学会議)、EACR(欧州がん研究会議)、EUSOMA(欧州乳がん学会)の公式学会誌で、基礎・前臨床研究、臨床腫瘍学、腫瘍疫学、予防学に関する新しい研究、論説、総説や情報を刊行、公表する国際的で学際的な学会誌です。

※4 論文について
Impact of dendritic cell vaccines pulsed with Wilms'tumour-1 peptide antigen on the survival of patients with advanced non-small cell lung cancers. : H. Takahashi et al.

※5 後ろ向きに解析
過去に溯って臨床結果を調べて解析する方法です。なお、臨床研究開始後から実施した臨床結果を評価する方法は前向き臨床研究と呼ばれます。

※6 RECIST評価
抗がん剤の腫瘍縮小効果を判定するための国際基準で、標的となる病変の最長径の長さを測定し、その和を算出して、腫瘍縮小効果の判定に用います。
CR:腫瘍の100%縮小(消失)が4週間以上持続
PR:腫瘍の30%以上の縮小が4週間以上持続
SD:腫瘍の30%未満の縮小または20%未満の増大かつ新病変の出現のない状態が4週間以上持続
PD:腫瘍の20%以上増大または新病変の出現

※7 病勢制御率
全体の症例数中に占めるCR、PR、SDの症例の割合。

※8 多変量解析
複数の値からなるデータ(多変量データ)をもとにして、データ間の相互関連を分析する統計学的手法の総称。

※9 ヘモグロビン値
ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で、体内の酸素を運搬する役割を担っています。ヘモグロビン値はヘモグロビン血中濃度のことで、貧血など様々な疾患の指標となる数値です。

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