遺伝子レベルの解析結果と、患者様それぞれのがんの特性に応じて
個別化された治療をご提案します。
当施設では、「ネオアンチゲン」や「WT1」などのがん抗原を用いて、多様ながんに対応しています。
遺伝子とがんの関係
がんの発生と遺伝子変異
がんは、正常な細胞の遺伝子に傷がつく(変異する)ことで発生する病気です。1つの腫瘍(がん)の中には、遺伝子の異なるさまざまながん細胞が混在しており、増殖のスピードや再発リスクなど性質も多様です。
部位別からがん遺伝子を標的にした治療へ
同じ部位(臓器)にできたがんであっても、原因となる遺伝子変異が異なればその治療法も変わります。原因となるがんの遺伝子変異を特定すれば、より効果が見込める薬剤を選択できる可能性があります。
これからの医療は、がんの多様性に合わせて、適切な検査と治療を組み合わせて実施していくことが必要です。


ネオアンチゲンを標的としたオーダーメイド医療
ネオアンチゲンとは

ネオ(新しい)+アンチゲン(抗原)=ネオアンチゲン(neoantigen)とは、遺伝子変異の過程で出現した新しいがん抗原(目印)のことを指します。ネオアンチゲンはがん細胞のみに現れる抗原(目印)で、正常な細胞には発現せず、遺伝子解析により特定することができます。
ネオアンチゲン
当施設の取り組み
当施設では、このネオアンチゲンを用いて、患者様ごとに個別化した「オーダーメイド治療」を提供しています。
WT1ペプチドを活用した免疫療法
WT1ペプチドとは
WT1は、がん細胞に特異的に発現しやすいタンパク質(抗原)で、標的免疫療法の対象として国内外で研究が進められています。
「WT1ペプチド」は、このWT1を利用し、がんに対する免疫反応を強化するように改変して人工的に作り出したがん抗原です。
特許技術WT1ペプチド
当施設の取り組みと実績
進行膵臓がんにおいては、当施設は東京慈恵会医科大学との共同研究に参画しました。
研究結果では、外科手術が不可能と判断された進行膵臓がん患者様を対象とした「WT1樹状細胞ワクチンを併用した標準化学療法」において、「治療奏効率70%・病勢制御率100%※」という成果が報告されました。
当施設では、進行期の膵臓がんをはじめ、さまざまながんへ治療をご提案しています。
各種がんの治療
当施設の進行がん治療実績
樹状細胞ワクチン療法 累計治療実績(進行がん)

1クールを1件とした累計治療実績
2010年〜2024年 治療がん種 割合(進行がん)
