人間には生まれつき免疫とよばれる働きが備わっており、体の中に侵入した細菌やウイルスなどを排除する働きがあります。
予防注射もこの原理を応用したもので、例えば「はしか」の予防注射を行って免疫を獲得すると、その後、「はしか」にかかりにくくなります。
体の免疫機能は、がんの発症や、がんの進展とも密接な関係があります。
体の免疫力が低下した状態、たとえば後天性の免疫不全症候群(エイズ)や臓器移植に伴って生じる免疫抑制状態では、がんがおこりやすくなることが知られています。
がんの治療法としては、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法が一般的ですが、これとは別に、人間の体に生まれつき備わっている免疫の力を利用したり、強めたりすることでがんをコントロールしようとすることが試みられています。これががん免疫療法と呼ばれるもので、樹状細胞ワクチン療法もこのがん免疫療法に属します。
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